奥田の主要事業の一つにスリット加工があります。
当社のスリット加工製品は様々な業界に納入していますが、最も多く納入している業界は電線業界であり、そして最も長くお取引頂いてる業界も電線業界です。
その歴史は戦後間もなくから始まります。
スリット加工の始まり
遡ること110年以上前。奥田は1904年(明治37年)に創業しました。創業当初は製紙原料商としてスタートします。
その後、激動の時代を経て終戦となり、焼け野原となった日本は復興へ向けて電線の需要が高まりますが、物資も人も不足しています。
そんな折である1946年(昭和21年)に製紙原料にてお取引のあった電線メーカーより声が掛かります。
「電線材料の加工をやってもらえないか?」
これが現在の奥田に繋がるターニングポイントとなり、奥田を長く支える事業の柱となっていきます。
昭和40年頃のスリット加工の様子
電線と言っても…
さて、話は変わりますが、一般的に「電線」と言われて思い浮かべるのは以下の画像のような送電線や配電線ではないでしょうか。
私も入社当時はこのようなイメージを持っていました。
ただ、実際には電線会社様は電源ケーブル、USBケーブル、光ケーブルやLANケーブルも作りますし、海外との途方もない距離を繋ぐ海底ケーブルのようなものなど電力だけでなく、通信も含めた電気信号や光信号を送る様々なケーブルを製造しており、これらを一括りにして電線と呼んでいます。
電線と紙?電線とフィルム?
では、その電線に奥田はどのように関わっているのでしょうか。
実は電線を切断すると、内部には紙やフィルム、不織布などが使われているのが分かります。
(古いケーブルの写真で恐縮ですが…)
電線の内部に紙やフィルムなどを使用する目的としては、
- 複数ある芯線がバラバラにならないようまとめる
- 電線を丸く仕上げる
- 干渉などの電気特性への影響を防ぐため距離を稼ぐ
- ノイズなどを除去するシールド効果
- 内部への水分や湿気の侵入防ぐ
など使用する材料によって様々な役割があります。
そのため、奥田では紙やフィルムだけでなく、金属ラミネートしたものや糸など電線向け材料だけでも数百種を超える素材を取り扱っています。
「細く、長い」加工を実現
電線は製造効率を上げるため、出来る限り長いm数を一気に製造します(数千mなど)。そのため、そこで使用する材料も長さが必要です。また、最近の電線業界はケーブルの細径化が進んでいるため、材料を細幅にスリットする必要があります。
当社ではこのようなニーズを満たすため、長年培ってきたノウハウを活かし、スリット加工の技術力アップに努め、様々な材料での細幅長尺のスリット加工を実現しています。
「太く、長い」お取引
今回のコラムでは電線業界に絞ってお話しましたが、奥田は電線業界でスタートしたスリット加工技術を活かし、現在では食品包装材、建材、医療、エレクトロニクスなど幅広い業界と深くお取引頂いております。
スリット加工業者をお探しの際は是非奥田にお声がけ下さい!高い品質の製品を提供致します。
「細く、長い」細幅長尺のスリット加工はもちろん様々な加工を得意とする当社とお客様で「太く、長い」お付き合いに繋がっていければ幸いです。